FP3級の「実技」とは?3種類ある試験の内容や選び方まで詳しく解説!
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- FP3級の実技試験が何種類もあって、よくわからない
- FP試験の3級を受けたいけど、実技試験は何をしたらいいの?
FP試験の指定団体は二つもあるし、試験は実技まであるし…FP試験は、なんだかわかりにくい!と思っていませんか?
本記事ではFP3級を受けようか考えている方に向けて、安心して受験できるよう、実技試験の内容や選び方のポイントをわかりやすく解説しています。 この記事を読んでしっかり理解してから、FP試験の申し込みをしてくださいね。
1. FP3級の「きんざい」と「FP協会」の大きな違いとは?
FP技能検定(ファイナンシャル・プランニング技能検定)は実施機関として、2つの団体が指定されています。
それが「一般社団法人 金融財政事情研究会(きんざい)」と「日本FP協会」です。
二つもあると、どちらを選んだらいいのかわからないですよね。
まずは、「きんざい」と「FP協会」の大きな違いからご説明します。 試験の申し込み時に2つの実施団体から、自分に合った実技試験の科目を選ぶことになるので、違いがわかると、どちらを選べばいいのかわかりやすくなりますよ。
▼「きんざい」と「FP協会」の3つの違い
① 実技試験の出題内容が違う
学科はまったく同じ問題が出題されますが、実技試験は出題内容も問題数も違います。
そのため、3種類ある実技試験のどれが自分に向いているのか、どれを受けたいのかわかれば、「きんざい」と「FP協会」のどちらで受験するのか自然と決まってきます。
実技試験の内容と選び方については、後半で詳しくご説明します。
② 受験者数と合格率が違う
全般的に毎回、「きんざい」よりも「FP協会」のほうが、受験者が多く、合格率が高い傾向にあります。
「FP協会」の問題のほうが簡単に思えそうですが、実際には実技試験の出題傾向が違うだけで難易度は大きく変わりません。
学科試験にいたっては、「きんざい」と「FP協会」のどちらもまったく同じ日時に、同じ問題を解いてますが、きんざいの合格率は56%、FP協会の合格率は85.25%と大きな差があります。(2023年1月試験の合格率を参照)
この合格率の大きな違いは、「きんざい」の受験者の中には、職場の命令で受験した団体受験組が多く、勉強しないでとりあえず受けてみた結果が数字に反映されていると思われます。
③ 受験地・試験会場の数が違う
これは圧倒的に「きんざい」の方が、受験できる地域、試験会場の数ともに多くあります。
「きんざい」の受験地は約130地区(340会場)、「FP協会」の受験地は約60地区(130会場)です。(参考:2023年1月試験)
両団体ともに47都道府県で開催されますが、遠くの市外で受験したくないなど、受検地で選びたい場合、受験地、試験会場ともに数の多い「きんざい」が比較的おすすめといえるでしょう。
ただ受験地は選べますが、どこの会場になるのかは、2週間くらい前に届く受験票を見てみないとわかりません。
そのため受験者の多い都市部では、1地区の中に複数の受験会場があり、家の近くに受験会場があっても、市や区の反対側になってしまったなんていうことも起こります。 受験地一覧と過去の試験会場を以下に記載しますので、受験地選びの参考にしてみてくださいね。
受検地コード一覧(2023年5月・2023年9月・2024年1月)一般社団法人 金融財政事情研究会
2. 3級FP(ファイナンシャル・プランニング)技能士ってどんな資格?
はじめに、FP(ファイナンシャルプランナー)とは、人生の夢や目標を叶えたい相談者のさまざまな相談に乗り、サポートをするお金の専門家です。
おもに個人顧客のライフプランの策定から、さまざまな家計の相談や保険のアドバイス、資産運用・管理などのコンサルティングを行うなどFPの仕事は多岐に渡ります。
そのためFPの仕事を行うには、ライフプランニング・資金計画の策定・保険・投資・税金・不動産・相続など、お金についての幅広い知識が必要になります。
そこでFPとして必要な知識やスキルの証明となるのが、「FP(ファイナンシャル・プランニング)技能士」という国家資格です。 その中でも3級FP(ファイナンシャル・プランニング)技能士は、必要な知識の基礎となるFPの入門的な資格であり、独学で試験にチャレンジする人が多い試験です。
【FP3級の試験日程】
試験は毎年3回実施されています。
・1月の第4日曜日
・5月の第4日曜日
・9月の第2日曜日
試験時間は、学科:10:00〜12:00(120分)/実技:13:30~14:30(60分)
重要!2024年から FP3級試験はCBT方式へ全面移行します
年3回のペーパー試験から、*CBT(Computer-Based Testing)方式へ変わることにより、2024年以降、 FP3級試験はいつでも受検できるようになります。
試験会場は全国約215地区(約330会場)にあるCBTテストセンターの中から、ネットで予約を入れて、好きな日時で何度でも受験が可能になります。
「きんざい」では、2024年に始まるCBT方式に先がけて、2023年11月から2024年2月末まで、今までのペーパー試験に加えて、CBT方式による試験が並行して実施されます。
CBT試験とは
CBTとは「Computer Based Testing(コンピュータ ベースド テスティング)」の略で、コンピュータを使った試験方式のことです。
1年を通して、いつでも希望の日時で受験ができることで、受験の機会が格段に増えます。試験はコンピュータに表示された問題を、マウスやキーボードを使って解答します。
2023年度の技能検定3級試験の実施方法に関するお知らせ:一般財団法人 金融財政事情研究会
3級FP技能検定の2024年度からのCBT化(予定)のお知らせ:日本FP協会
▼ FP3級の試験会場
FP3級の試験は、全国47都道府県で実施されます。
「きんざい」の受験地は約130地区、「FP協会」の受験地は約60地区あり、受検地や試験会場が異なります。(参考:2023年1月試験)
気になる試験会場は、受験申込時に選ぶ受験地コードの中から、自動的に割り振られて決まります。
そのため、試験会場の希望はできず、試験の2週間くらい前に送付される受験票を見るまで、会場がどこになるのかわかりません。
以下に、試験が開催される都市がわかる受検地一覧と、過去の試験会場のデータを掲載していますので、受検地選びの参考にしてください。
受検地コード一覧(2023年5月・2023年9月・2024年1月)一般社団法人 金融財政事情研究会過去の試験会場:一般社団法人 金融財政事情研究会
▼ FP3級の受験資格
FP3級の試験は『FP業務に従事している者、または従事しようとしている者』という受験資格が付されていますが、「いつかFPの仕事をしようかな」と考えている程度でも大丈夫です。
FP3級は学歴や実務経験の有無に関係なく、誰でも受けることができる資格です。 実際に、ライフプランの作成や保険、資産運用、税金、不動産、相続など、生活に必要なお金の知識を幅広く学べる人気資格のため、さまざまな年代、業種の人が受験しています。
▼ FP3級の申し込み方法
FP3級の申し込み方法は、インターネットと郵送があります。
・「きんざい」または「FP協会」のホームページにアクセスして、Web上で申し込む方法
・書店にて受検申請書を入手して申し込む方法
3級・2級FP技能検定 受検申請方法 | 日本FP協会 (jafp.or.jp)
受検手続について | 一般社団法人 金融財政事情研究会 (kinzai.or.jp)
支払いはクレジットカード決済とコンビニ払いがありますが、支払いが終わらないと申し込みができないので、コンビニ払いを選んだ場合、すぐに支払いに向かいましょう。
受験するつもりで勉強をしていたのに、「気が付いたら申し込みが終わってた…」なんてことも本当によくあります。
受験を決めたら、申請期間を確認して早めに支払いと申し込みを済ませておきましょう。
▼ FP3級の受験手数料
FP3級の受験手数料は、「きんざい」と「FP協会」のどちらで受けても共通です。
・学科試験4,000円
・実技試験4,000円
合計8,000円ですが、学科のみ、実技のみの受験なら、各4,000円となります。
▼ FP技能検定3級合格発表
合格発表当日の10:00より、きんざいと日本FP協会それぞれのホームページで確認できます(受検番号を用意して、照会画面に入力して確認します。)
また合格者には、合格証書などの結果通知が普通郵便で送られてきます。
残念ながら学科試験のみ合格、実技試験のみ合格の場合は、『一部合格』となり、一部合格証と証明通知が来ます。この場合はまだ『FP技能士』は名乗れません。(ただし『一部合格』した年度の翌々年度末まで、合格した学科または実技は「試験の免除申請」ができます)
FP試験は学科試験と実技試験の両方に受かって『完全合格』すると、初めて国家資格である『FP技能士』が名乗れます。
3. FP3級の「実技試験」とは?内容や選び方まで詳しく解説!
▼ FP3級の実技問題はむずかしくない
実技試験というと、長文問題やプランの実際の作成など難易度の高い問題を想像してしまいますが、FP3級の実技試験は筆記のみ、3つの選択肢から適切なものを選び答えるだけです。
しっかり学科の勉強をしてから、実技の問題をくりかえし解くことで、実技試験の対策は充分間に合います。
ただし、実技試験の解答時間は1時間のみなので、試験慣れしていないと問題を解くだけで時間がギリギリという人もいるでしょう。
試験近くになったら、1時間で問題が解けるよう、時間を計って模擬試験形式で実技試験の問題を解いておきましょう。
次に3種類ある実技試験の内容を詳しく解説します。
個人資産相談業務とは
学科の範囲であるライフプランニング、年金、税金、金融、不動産、相続などが含まれます。(保険分野の問題は出ません)
その幅広い知識で、個人顧客の問題点の把握と解決のための検討、分析を行うとされ、実際の生活にありそうな家族のライフプランに合わせた問題などが出題されます。
実際にどんな問題が出たのかは下記を参照ください。
2023年度5月実施 個人 資産相談業務/一般社団法人 金融財政事情研究会:出典
保険顧客資産相談業務
保険業務に特化した実技試験です。
加入している保険商品の理解、保険商品の活用、相続・贈与、税金など、出題50問のうち約40問が保険関係の問題です。(金融資産、不動産分野の問題は出ません)
おもに保険業界で働いている人、これから保険分野で働く予定のある人などが、おすすめです。 反対にどれを選ぶか迷っている人や、保険業務に就く予定がない人、保険分野が苦手な人は、きんざいの「個人資産相談業務」か、FP協会の「資産設計提案業務」がよいでしょう。どちらとも保険分野の出題もあり、すべての分野を学ぶことができます。
実際にどんな問題が出たのかは下記を参照ください。
2023年度5月実施 3級保険顧客/一般社団法人 金融財政事情研究会:出典
資産設計提案業務
「きんざい」の個人資産相談業務と同じく、学科の範囲であるライフプランニング、年金、保険、金融、税金、不動産、相続などが含まれ、すべての範囲が広く学べます。
同じく実際の家族のライフイベントに合わせたプランの設計や、個人顧客の問題点の把握と解決のために検討、分析を行います。
FP2級を視野に入れ、保険業務に特化していない場合は、まんべんなくFPの基礎を学習できることから『資産設計提案業務』がおすすめです。
実際にどんな問題が出たのかは下記を参照ください。
▼ FP3級どの実技がおすすめ?
まず保険分野を受けたいと決めている方は、「きんざい」の『保険顧客資産相談業務』の一択なので、迷わないと思います。
迷うとすれば「きんざい」の『個人資産相談業務』と、「FP協会」の『資産設計提案業務』でしょうか。
難易度で言えば、一般的に「きんざい」は難しいと言われ、問題数が5問と少ない分、深く理解を求められる問題が出ます。
ただし、「きんざい」は試験問題を作る試験機関であるため、実技試験用の「きんざい」の問題集そのままに出題される傾向があり、しっかりと勉強できる人にとっては、「きんざい」を選んでも問題はないかと思います。
対する「FP協会」ですが、『資産設計提案業務』は、学科で学ぶ6分野(ライフ、保険、金融、税金、不動産、相続)をすべてまんべんなくカバーしています。
出題数も20問と多いため、広く浅くといったイメージです。
どうしても失点やうっかりミスが不安な方は、配点の小さい『資産設計提案業務』が受験しやすいのではないでしょうか。
まずは一度、過去問を解いてみて、自分に合うと感じた方を選んでも良いと思います。
4. FP3級「実技」の勉強方法は?これをやれば大丈夫!
- きんざい受験組は公式テキストを活用する
- テキストを読んだら、すぐに対応する項目を問題集で解いてみる
- 過去問を数多くこなす
- スキマ時間も無駄にせず、WEBの過去問をひたすら解いていく
- 試験形式に慣れておく
FP3級は、国家資格の中でも独学で十分に合格できる試験です。3級はFP試験の入門的な資格であり、しっかり勉強した人にとっては難易度はあまり高くないと感じるでしょう。
まず「きんざい」を受験する人は、ぜひ「きんざい」の公式テキストで勉強してください。試験機関である「きんざい」のテキストをしっかり勉強すれば、間違いなく高得点で合格できるでしょう。「FP協会」で受験する人は、自分が見やすい、学習しやすいテキストがあれば、大丈夫です。
一通り目を通したら、すぐに対応する項目ごとに問題集を始めましょう。またFP試験は、これまで試験回数も多く、問題の傾向も安定しています。過去問対策で問題を数多くこなしていけば、知識の固定はむずかしくありません。
また、通勤時間や家事の合間など、スキマ時間もwebの過去問を解いてみるなど、コツコツ学習を積み重ねれば、合格はかなり近いといえるでしょう。 試験が近くなったら、試験形式で問題を解いておきましょう。知識はあるのに時間が足りなかったということにならないように、とくに実技問題は時間内で追われるように問題をくりかえし解いていきましょう。
まとめ
この記事では、FP3級試験受験のための「きんざい」と「FP協会」の実技試験の詳しい内容から選び方までを解説しました。3つある実技試験の違いがわかったところで、どれを選べばいいのか、決められたのではないでしょうか。
FP3級はFP試験の登竜門です。「きんざい」と「FP協会」のどちらを選んでも、解答の6割を正解できれば合格できる試験です。しっかり準備をしたら、ぜひFP3級試験にチャレンジしてみては、いかがでしょうか。