FP3級と簿記3級はどっちを取るとメリットが大きい_ 難易度や勉強時間を比較してみた

FP3級と簿記3級はどっちを取るとメリットが大きい_ 難易度や勉強時間を比較してみた

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資産形成や税金などに興味を持って、お金のことについて学びたいと考える人も多いのではないでしょうか。
お金に関する資格としてよく比較される資格にFPと簿記がありますが、具体的な内容は大きく異なります。
それでは、どちらの資格を取るとメリットが大きいのでしょうか。

1. FP3級と簿記3級の試験概要を比較

まずはFP3級と簿記3級の違いを見ていきましょう。

▼FP3級

FP3級は一般社団法人金融財政事情研究会、日本FP協会が実施している資格試験で、合格すると「ファイナンシャル・プランニング技能士3級」の資格を取得することができます。

ファイナンシャル・プランニングとは、個人のライフプランやニーズにあわせて貯蓄や投資、保険や税制のほか、住宅ローンや不動産、相続など、さまざまな角度からお金に関わるプランを立てることです。
また、ファイナンシャル・プランナーはこれらの相談を受けたりアドバイスを行ったりする、資産相談に関する専門家です。

FP3級に合格することで、ファイナンシャル・プランニングに関わる基礎的な知識を身につけることができます。
FP資格は名称独占資格となるため、「ファイナンシャル・プランニング技能士3級」はこの資格の合格者しか名乗ることができません。

FP試験では、ライフプランニングと資金計画、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続・事業承継の6分野から出題されるため、お金に関する幅広い知識が必要となります。
試験は1月、5月、9月の年3回実施されており、年齢や学歴に関わらず受験することが可能です。

試験日には午前中に学科試験、午後に実技試験が実施され、それぞれに合格することで資格を取得することができます。

学科試験はマークシート方式で○×式と三答択一式の問題が計60問出題され、60点満点中36点以上、実技試験は実際に計算が必要となる記述式で、50点満点の試験で30点以上で合格です。
学科試験と実技試験は片方ずつ合格することも可能で、合格済の試験は次回以降の試験で受験が免除され、もう一方の試験に合格できれば資格取得となります。

▼簿記3級

次に、簿記3級で学ぶ「簿記」とは企業の購買活動や販売活動など、お金の流れを仕訳という方法で記録し、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を作成する技能のことです。

簿記の資格にはいくつかありますが、もっとも知名度が高く受験者数も多いのが、日本商工会議所主催で行われる「日商簿記」です。

日商簿記には初級、3級、2級、1級のレベルがあり、一般的に簿記3級はすべてのビジネスパーソンに役立つ簿記の基礎知識が出題されます。

日時や会場が指定される統一試験は2月、6月、11月の年3回の実施ですが、全国のテストセンターで行われるネット試験が随時実施されていますので、自分のタイミングで受験することができます。
統一試験とネット試験のいずれも、帳簿や財務諸表、試算表の作成をするために、電卓での計算が必要です。
簿記3級には受験資格が特にないため、誰でも受験することが可能です。

▼FP3級と簿記3級の違い

FP3級と簿記3級のどちらもお金に関わる専門知識が問われる資格試験ですが、簿記が企業の経済活動に関わる分野が出題範囲なのに対して、FPは個人の貯蓄や資産運用のほか社会保険や税金、不動産や相続などが出題範囲となるため、必要な知識は大きく異なります。


FP3級の合格率は約50%〜60%で、合格までに必要な勉強時間はFP知識がまったくない人で約100時間、ある程度知識のある人では30〜50時間ほどです。1日に1〜2時間程度の勉強時間が確保できれば、1〜3ヶ月ほどで十分合格できると言えます。


一方、簿記3級の合格率は例年50%前後です。
初学者が合格するために必要な勉強時間は100時間ほどで、1日1〜2時間の勉強時間を確保して、約3ヶ月間ほどが必要となるでしょう。

2. 「FP3級」を受けるメリットとデメリット

メリット

FP3級を受けるメリットは、公的保険制度や税金、資産運用に関することなど、自分の家計にも大きく関わる分野の知識が身につくため、自分自身のファイナンシャルプランの設計や見直しに役立てられることです。
たとえば、給与明細を見て社会保険料や税金がどのくらい天引きされているか読み解けたり、資産運用をしようと考えた時にどのような選択肢があるかわかるなど、現在や将来にわたってのライフプランを考える時に役立ちます。


ほかにも、銀行や証券会社、保険会社など金融に関わる仕事をしている人は、業務に関わる部分の知識が深まるだけでなく、資格手当として月数千〜数万円程度がプラスされたり、昇給や昇格の要件となっていたりすることもあり、収入アップが期待できます。

また、金融業界や不動産業界に就職や転職を希望する人であれば、就職・転職活動においてアピールポイントになるでしょう。

実際にFP3級に合格した人は、次のようなメリットを感じたとコメントしています。

  • FP3級の資格を取ると、大学で単位認定された
  • 資格手当がついて給与アップした
  • 公的年金の内容を知ったことで、自分に必要な民間の生命保険を選ぶことができた
  • 難しいと思っていた社会保険や公的年金など、より身近な問題として捉えられるようになり、経済ニュースにも興味を持てるようになった

デメリット

一方で、FP3級は問われる知識が比較的浅いものとなるため、より専門的な知識を得るためにはFP2級以上の上位資格を目指す必要があるでしょう。

また、金融機関や保険会社、不動産業界以外の業界では、FP3級の知識が業務に直接生かせないことから給与アップに直結せず、就職や転職の場面でも、金融や不動産業界以外には特別有利に働くとは言えません。

さらに、試験範囲が広く、学ぶべき知識も多岐に渡ることから、身につく知識がどうしても「広く浅く」というものになってしまうため、高い専門性のある資格と言うには少し物足りないと感じる人もいるようです。
実際にFP3級を取得した人も、次のようなデメリットを感じています。

  • FP2級に比べると難易度は低いので、”専門性”をアピールするには物足りない
  • 基礎知識のみなので、詳しくはさらに調べる必要が出てくる
  • 試験対策だけの勉強では身につく知識が浅く、実生活に活用しにくい
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3. 「簿記3級」を受けるメリットとデメリット

メリット

簿記3級は知名度もあることから、就職や転職の際にプラス評価されることがあります。特に経理事務を目指す人はぜひ取得しておきたい資格です。


また、3級は独学でも十分学習可能なレベルであるものの、会社のお金の仕組みや流れの基礎知識が身につき、簡単な決算書を読めるようになるため、営業職や経営企画職など経理事務以外の職種でも知識が役立つ場面があります。

特にフリーランスや個人事業主として働く人は、事業における日々の収入や支出の記録のほか、毎年の確定申告に必要な知識が身につくため、簿記3級を取得すると大いに役立つでしょう。簿記3級を取得してよかったと感じている人は、次のようなメリットがあったといいます。

  • 未経験で経理の仕事を志望していたが、転職活動で有利になった
  • 儲かっている企業とそうでない企業の決算を理解できるようになり、投資活動にも役立っている
  • 簿記の用語や知識は商品バイヤーや経営企画としても使うことがあるため、ビジネスの基本として知っていて損はない
  • 簿記3級に合格したことで資格手当がつくようになった

デメリット

簿記3級で身につくのはあくまでも基本知識であることから、経理事務など実務に関わるためには知識量が物足りないと評価されることもあるようです。
経理事務の求人では応募要件が「簿記2級以上の資格保有者」となっていることもあるため、経理事務を志望する人は簿記2級へのステップアップも検討しましょう。
簿記3級を取得した人の中には、次のようなデメリットを感じている人もいます。

  • 3級はあくまでも初歩的なものなので、転職などでは必ずしも有利にならない
  • FPに比べると実生活で使える知識が少ない
  • 3級だけでは資格手当がつかない

4. 結局、どちらのほうがメリットがあるの?

FP3級と簿記3級では、どちらもメリットとデメリットがあることがわかりました。
しかし、どちらを取得すればいいかは、どういう知識を必要としていて、資格取得後にどのように生かしたいかによって異なります。


どちらの資格を受けるべきか、資格取得後のステップアップにはどのような選択肢があるのかを解説します。

▼「FP3級」を受けるべき人(キャリアプランや上位資格への道筋)

まず、銀行や保険会社など金融業界や不動産業界に就職したいと考えている学生は、FP3級を取得することで就職活動の際にアピール材料にできるでしょう。

また、現在金融・不動産業界で働いている人も、業務に生かせる専門知識が身につくだけでなく、資格手当など給与アップや昇格に繋がることがあります。

ほかにも、自分の家計の見直しやライフプランの設計にも役立つ知識ですので、主婦や一人暮らしをしている人なども実生活に生かすことができます。

FP3級の取得後は、FP2級、1級やAFP、CFPといったファイナンシャル・プランニングに関わる上位資格にチャレンジしてより専門的な知識を深めたり、宅建士や行政書士、社会保険労務士など各分野の専門資格を取得したりすることで、専門性を生かしたキャリアアップや独立開業を目指すこともできます。

▼「簿記3級」を受けるべき人(キャリアプランや上位資格への道筋)

経理事務の仕事をしたいと考えている人や、すでに会社の経理部門で働いている人などには必須の資格でしょう。ほかにも、毎年確定申告を行う必要のある個人事業主や、これから自営業・フリーランスとしてやっていきたい人にとっては日常的に必要となる知識であることから、簿記3級は持っていて損のない資格だと言えます。

また、大学生や高校生などの学生も、専攻によっては簿記3級の取得が単位認定されたり、就職活動の際にアピールポイントにできたりなどのメリットがあるでしょう。

簿記3級からのステップアップには、簿記2級、1級から、税理士を目指すのが王道ルートと言えます。
税理士試験では簿記論や財務諸表論が必須科目となっていることから、簿記の資格試験で勉強した知識を前提として学習を進めることができます。

そのほかに、公認会計士や中小企業診断士も財務や会計の知識が必要となるため、簿記3級からのステップアップに向いている資格です。

▼両方受けるなら、どちらから資格を取得すべき?

FP3級と簿記3級はどちらもお金に関する専門知識を学ぶことになるため、両方を取得するダブルライセンスにはとても相性のいい資格です。しかし、FP3級と簿記3級のどちらも取得したいと考えるのであれば、FP3級から勉強することをおすすめします。


なぜなら、簿記3級が企業や個人事業主など事業に関わる知識が問われる試験なのに対して、FPは個人の家計に関わる比較的身近な題材や、自分の生活や家計に生かせる知識を学ぶことになるため、簿記やFPについて初めて学ぶ人はFPのほうが取りかかりやすいと考えられるためです。

ただし、すでに経理業務に携わっている人や、過去に学校の授業を受けたことがあるなど多少の知識を持っている人であれば、先に簿記3級を学習するのもいいでしょう。また、FP3級では実技試験に計算問題も出題されますが、大半は知識を問われる択一形式での出題となるため、通勤中の電車の中でテキストを読んだり過去問を解いたりなど、スキマ時間で効率的に勉強が可能です。

一方、簿記3級の試験では電卓を使った計算や表の作成など、より実務的な知識を問われるため、通勤中や家事の途中などスキマ時間での勉強には限界があります。

これらのことから、お金のことを初めて学ぶという人はFP3級からのチャレンジがおすすめです。

5. まとめ

FP3級と簿記3級はどちらもお金に関する知識が身につく資格です。


FP3級では公的保険制度や税金、保険や投資などの金融商品のほか、相続や不動産など、お金に関する制度や仕組みについて幅広い分野の理解が深まります。一方で、簿記3級では、企業のお金の流れを帳簿に記録して、取引先や金融機関への適正な報告書となる決算書を作成するための知識を学ぶことができます。


どちらも取得すれば日常や仕事に生かせる知識ですので、ぜひチャレンジしてみてください。

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